信根・信力如来の智慧(真理の法)を信じる。法は世尊により善く説かれた、それは現に証明できるもの、今此処で果報があるもの、涅槃に導くもの、智者が自ら知るべきことである。 仏陀を思念する、真理(法)を思念する、聖者(僧)を思念することによって、信念確信を得る。これを信根という。 精進根・精進力よく精進に住して、諸々の善からぬことを断ち、諸々の善きことを身に付けるために努め、不屈の努力をかさねて、善きことのための重荷を投げ出すことがない。 四正勤によって精進を得る。これを精進根という。 念根・念力よく心に止めて忘れず、最高の思慮分別を持ち、久しい以前に為されたこと、久しい以前に説かれたことをも憶念し、あるいは思い起こす。 四念処によって念を得る。これを念根という。 定根・定力よく心は平等にして、執着することがなく、心を散動させずに、一境に集中することを得る。 捨断(集中)によって心の静止を得る。これを定根という。 慧根・慧力智慧ありて、聖にして透徹、よく消滅の跡を知り、苦の滅尽に至ることを得る。 信ある聖弟子は、繰返し繰返し精進し、繰返し繰返し憶念し、繰返し繰返し心を調え、繰返し繰返し識別し、深い信を得る。 智慧によって選択決定し、正しい理解を得る。これを慧根という。 |